個人事業主が借りられる融資で資金繰り

個人事業主の事業資金と融資

目次

個人事業主の準備資金

個人事業を始めるにも資金が必要です。自己資金を豊富に持っている人なら問題はありませんが、ほとんどの人は資金を調達して開業資金としています。
この資金調達は、個人事業を始めるにあたっての最初の障壁となるかもしれません。賢い資金の調達と堅実な経営が、個人事業主がまず目指さなければならないところとなります。
開業資金のうち、事業を始めるまでに必要となる資金のことを準備資金と言います。そして開業した後に、事業を運営していく段階で必要となるのが運転資金です。
準備資金だけを気にしていても、事業はすぐに軌道に乗るわけではありません。開業資金のうちの準備資金だけを用意していても、運転資金が無いと、事業を始めるとすぐに資金繰りが苦しくなってしまう恐れがあるのです。
準備資金としては、店舗や事務所を借りるための資金が必要です。敷金や礼金、手数料といったものに充てる必要があるのです。
次に、内装の工事費なども必要になります。更には電話の加入料、設備機器の購入費用なども必要になります。
また、開業を宣伝する為の費用も準備しておいた方が良いでしょう。その他にも、印鑑や伝票、印紙、他の消耗品の購入なども必要になるはずです。
そして、忘れないようにしなければならないのが、初回の仕入れの費用なのです。
仕入れがなければ、買いに来たお客に商品を渡すこともできません。
商売の基本となることなので、開業の忙しさに追われているうちに忘れてしまわないように気をつけなければならないのです。

個人事業主の運転資金

個人事業を始めた後は、運転資金というものが必要になります。運転資金とは、開業資金のなかの準備資金を除いた部分になります。
運転資金は、事業を始めると思わぬお金が必要になることも考え、最初から少し多めに用意しておくのが通例です。
そして、例えば事業を始めた後の仕事が決まっていたとしても、その仕事に対する支払いは遅くなりがちである為、それまでの繋ぎとしての意味で用意しておく必要もあります。
最低でも、約6カ月分の費用は用意しておいた方が良いとされています。
個人事業の運転資金については、毎月必ず支払わなければならなくなる固定の費用と、事業を運営していくうえで必要な、仕事に関して出てくる変動の費用とに分けられます。
固定の費用には、家賃、人件費、水道光熱費、通信費、リース費、借入金の返済といったものがあります。
変動の費用としては、仕入れ費、外注費、運送費などが出てくるでしょう。
変動の費用は、事業を始めたすぐの段階では算出するのが難しいかもしれません。大体の目安を付けておいて、実際に事業を進めていく段階で様子を見て、そこで修正するようにすると良いでしょう。
個人事業を始める場合、必要となってくる開業資金は、開業までの準備、あるいは開業してから数カ月先までの事業運営にあてた費用ですが、その後は、開業後の数カ月でどれ程の費用が必要になったか、あるいはどれくらいの収入があったかというのを元に、最初の資金計画というものを立てていかなければなりません。

個人事業主の自己資金

個人事業を始める為には、開業資金や運転資金が必要になってきますが、その中で、自分で用意できる資金を自己資金と呼んでいます。
もちろん、自己資金は多く用意出来る方が良いので、それが多額であればあるほど開業後の事業経営は楽になります。
事業を始めようとする時は、まずは自己資金がどれほど用意出来るかを確認してみなければなりません。
預貯金額がどれくらいあるのか、有価証券はあるか、不動産についてはどうなのかといったところを確認してみるわけです。
次に、その中で現金化して開業資金へと回せるものがどれだけあるかを確認します。これが、自己資金となってくるわけです。
自己資金が事業開業に必要な資金全体のうちのどれくらいを占めているかというのは、事業を始める際の分水嶺になるとされています。
もし、開業資金全体の50%くらいはないと事業としてやっていくのは難しいとされています。全体の60%くらいが用意出来るようになった時が、事業開始の良いタイミングと捉えることもできるかもしれません。
しかし、自己資金が開業資金の70%から80%は用意出来ても、足りないことには違いありません。
ここで足りない部分をそのままにして開業してしまい、そのうち売上げがあって入金されるからそれで補えば良いと放っておくと、万が一のケースに対応出来なくなってしまいます。
自己資金で足りない開業資金の分は、親や配偶者から借りる、公的金融機関に融資を申し込むなどの方法をとって、必ず用意しておく必要があるのです。

個人事業主の資金不足

個人事業を始めるにあたって、開業資金が全て自己資本で賄えれば申し分ありません。しかし、多くの場合、自己資金では足りない部分が出てきます。
この開業資金の不足分については借り入れをするなりして、不足が無くなるよう用意しておかなければなりません。
こうした資金不足は、事業を運営していくようになってもよく起こり得ることなのです。そこでそうなった時に、どのように対処していくかというのが事業を経営する上で大変重要になってきます。
その為、事業を開業するときの資金不足についても、きちんとしておく必要があるのです。
開業時の資金不足については、まず配偶者の資産をあてるというのが鉄則となっています。それは、一番安心出来る資産だからです。
個人事業を始めることに配偶者が反対している場合を除いて、配偶者は身近で最も安心して資金を借りることのできる相手です。
ただし、配偶者といえども勝手に資金を借りて使うことは許されません。きちんと説得することが必要であるのは、他の人から借りる場合と同じです。
次に借りる相手として考えられるのは、親や兄弟などの家族でしょう。家族の場合、生活費の一部を削って貸してくれることが多いので、甘えることが無いよう借用書を交わすことも考えましょう。
続いて考えられるのは親戚、更には友人や知人といったところです。
これらの人達に借りるのは遠慮があるといった場合は、いよいよ銀行や公的金融機関に借りることを考えなければならないようになります。お金の借り方が、より厳しくなっていくので気持ちもより引き締めていかなければなりません。

個人事業主の資金調達

個人事業を始めようとして資金が不足していたら、まず配偶者や家族にお金を借りて不足が無いようにするのが鉄則ですが、身近な人には迷惑をかけたくないと考える人も多いようです。
そのような時には事業資金の調達方法として、公的な金融機関や銀行などの民間金融機関から融資を募ってみるというのが、多くの人が考えることでしょう。
事業を始める時に融資を募る先としては、まずは銀行を選ぶというのが常道ではありますが、個人事業主の場合は、信用度に難点があると見られていて融資の条件が細かく設定されています。
その為、かなり慎重な審査が行われるのです。
そこで、もし銀行の融資が受けられない時は、公的金融機関の融資を考えてみることも必要になります。
もちろん、公的金融機関の融資についても融資条件が設けられていますが、銀行などの民間金融機関に比べると、その基準はかなり緩やかに設定されています。
個人事業主が受けられる公的金融機関の融資としては、日本政策金融公庫、商工組合中央公庫などがあります。
日本政策金融公庫は、国民生活金融公庫と中小企業金融公庫、国際協力銀行が統合して平成20年10月に出来た公的金融機関です。
商工組合中央公庫は、一般には商工中金と呼ばれ、商工中金に出資している中小企業団体とその構成員が融資対象となっています。
他にも、都道府県や市町村などの地方自治体が銀行などに資金を預託して、定められた貸し付け条件で個人事業主に融資する制度融資といったものもあります。

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